薬前

やや
「うう~ん」

やや
「おはようございます。」
南風
「おはよ。中にくろべいる? 薬なんだけど。」

ろく
「薬くれ。」
南風
「ろくはいーの。」

くろべぇ
「譲るよ。」
南風
「譲らない。」

やや
「うう~ん」

やや
「おはようございます。」
南風
「おはよ。中にくろべいる? 薬なんだけど。」

ろく
「薬くれ。」
南風
「ろくはいーの。」

くろべぇ
「譲るよ。」
南風
「譲らない。」

くろべぇ用に出された尿結石予防フードは、当のくろべぇも、そしてややもろくも抵抗なく食べはじめられました。
先生がおっしゃるには、「治療の為の薬ように強いものではないから、他の健康な子が食べても差し障りはない。予防になるから、この際みんな切り替えられるならそれでも大丈夫。」とのことでした。
それを踏まえて様子をみながら、諸々が上手く回るようにしていきたいと思います。以下、母と私の相談内容。
食べ物のことはそんな感じで、長い目で見ていくことになったのですが、ここで一つ誤算が。

ろくは去勢が済んで、男鳴きしなくなりました。あと、遊んでいるうちに本気で怒りだすこともなくなりました。
ところが、新しいフードに利尿作用があるのか、スプレーがハンパないことに・・・。立ち止まる度に、手当たりしだい引っ掛ける状態です。確実に手術前より増えています。
ちょっと床に置かれた荷物などにもかけようとするので、スプレーポーズになった瞬間に「そこはだめ!」とお尻の向きを変えさせたら、私の足にジャストミート。仕事部屋の机の下に置いてあるパソコンにもぶっかけ。もうそこらじゅうシャパシャパです。
心なしか匂いは薄くなっているような気もします。でも一面シャパシャパです。
・・・これもまぁ、そのうち納まるかな? 納まっておくれよ?


やや
「またお出かけですか? 今度はボクの番ですね!」
姪ちゃん
「くろべぇだよ。」なでなで

やや
「ボクの番です!」グイーン
南風
「くろべぇが注射に行くんだよ。」

・・・。

やや
「ボクは?」

南風
「留守番だよ。」

姪ちゃん
「あ~、やや!」

やや
「ボクの番です。」
南風
「あれ? くろべぇどこ行った? 早く乗り込んで。」

くろべぇ
「ややちゃんに譲るよ。」
南風
「譲らない。」

くろべぇが帰ってきました。とても元気です。
病院に迎えに行った時に、諸々の説明をして下さった先生が最後に、「随分元気な子だね。ケージの中で暴れる暴れる。」と苦笑いしていました。恥ずかしいやら頼もしいやら。

車の中でも鳴き続けていたくろべぇは、家の様子をちょろっと確認すると、水をガブガブ飲みはじめました。

で、やっぱり食事は専用のフードと水だけ!という事になってしまいました。
先生に言われた瞬間、頭の中でくろべぇの好きなほとんどの物に×印をつけられたのですが、どうしても1点、猫草くらいはどうなんだろうと、先生に聞いてみました。

先生がおっしゃるには、「食事に無理に混ぜたりしないで、猫が食べたい時に食べられるような状態なら問題ないでしょう。でも、絶対に大丈夫という訳ではありません。様子を見てください。」という事でした。

そしてこれから数日は通院です。頑張ろうね。とりあえずお疲れさま。ゆっくり寝てくれ。

今日のくろべぇは、いつもと変わった様子もなく

股を舐める回数が多いような気もしましたが、ここのところ男鳴きをするろくによく跨って、背中に股間を押し付けていたので、そのせいかな、と思ってみたり

それよりもろくの去勢日が近づいていることにドキドキだったり

外を見知らぬ猫の影が横切った時も

ややも

くろべぇも

ろくも

一丸となって監視して

一糸乱れず監視して

くどいまでに見送っていたりもしたので
まさかくろべぇの体に異変が起きているなんて、想像もしていませんでした。
この日の晩も実家のトイレ掃除に向いました。そしていつものように私の顔をみるなり尿意(もしくは便意)を催すくろべぇが後についてきます。
くろべぇはトイレに飛び込むと、おしっこの体勢になりました。いつもならここで尿音を聞きながら終わるのを待って掃除にとりかかるところなのですが、今回は音がしないうちにトイレから飛び出して走り去ってしまいました。「変なの。」と思いながら砂をほじり始めたところで、走り去っていったくろべぇが、玄関の方で鳴いています。
「ギニャーアンッ!」
あー、これは・・・イライラしている時の声です。散歩に行くのを待たせすぎたり、やややろくにくどいことをされて怒ったときの声によく似ています。とりあえずトイレ掃除を終わらせてからくろべぇの様子を見に行くと、また股間を舐めています。
おしっこ出てない→イライラしている→股を舐めている→・・・まさか!?!?
念のため、くろべぇを抱えてトイレに連れていきました。
砂をほじっておしっこの体勢になるくろべぇ。そしてまた何も出さずに・・・やっぱりつまってるんだ!!!
おしっこが出ない→毒がまわる→すぐ死ぬ
前にどこかで得た情報の怖い部分が頭の中を覆いつくしました。
その後も2回程トイレに連れていって出ないことを確認してから、大慌てで獣医さんを探しました。この時、土曜の夜9時過ぎ。
お世話になったことのある2箇所の病院は電話が繋がらず、電話帳を見て近そうなところから順にかけていくことにしました。
で、5件目あたりで先生が電話に出てくれまして! 今すぐ来なさいと言ってくださって! すぐに向かいました!
初めて伺う病院の初めて拝見する先生のお顔が、神に見えました。
すぐにくろべぇの股間と膀胱を触診して、「まだおしっこは溜まっていないけど、おチン○○にこんなにカスがついてるよ。」と、先生の指についた白い砂のような物を見せてもらいました。
で、今晩のうちにカテーテルで処置をすることになり、他の検査や処置後の様子見も必要なので、そのまま入院決定。
日曜を挟むので、早ければ月曜に退院できますとのこと。ただし、処置の経過がよくなかったり、他になにかあれば入院は長引きますよ、ということでした。
そして、順調にいった場合と長引いてしまった場合の費用の目安や、ケースによっては今後の治療の仕方も何通りかあることを簡単に教えていただきました。覚悟しなければ。
「それではお預かりします。」と、先生がくろべぇをひょいと持ち上げました。
くろべぇは、遠慮がちに「やめてー」と鳴いていました。

ろく
「おかえり~」
南風
「空っぽだよ。」
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