行きたい・行きたくない

ろく
「今度は誰~?」

やや
「今度こそボクです!」

・・・
南風
「くろべ、おいで。」

渋々

・・・

南風
「ややこちゃん!?」

ろく
「今度は誰~?」

やや
「今度こそボクです!」

・・・
南風
「くろべ、おいで。」

渋々

・・・

南風
「ややこちゃん!?」

南風
「ろくー! 誕生日おめでとー! でもお出かけするのはろくじゃないんだよん。」

ろく
「誰誰?」
くろべぇ
「誰だよ。」
やや
「今度こそボクですか。」
南風
「くろべぇです。」
病気をする前のくろべぇは、散歩の催促と、猫草の鉢がひっくり返って食べ辛い時くらいしか人に言いに来ませんでした。
それが、病気を経験してから、いろんなことで人に言いにくるようになりました。一番驚いたのが、ご飯の催促をするようになったこと。前は袋を破いて適当に食べていたのに、それを一切やらなくなって「よそって」と言いにきます。
そしてトイレが壊れると言いにきます。実際に不調になっているのはくろべぇの体の方なのですが、くろべぇ的には「トイレがおかしい」ということになっているようで、私をトイレまで連れていくのです。
私がトイレをちょっと動かしたり砂を混ぜたりしてから、「これでどう?」と聞くと、くろべぇは徐にトイレに入っておしっこを試みて・・・今回は極少量でました。
で、何度も何度も私にトイレ直しをさせて少量しか出ずを繰り返すので、再び病院へ行くことになったのでした。

やや
「またお出かけですか? 今度はボクの番ですね!」
姪ちゃん
「くろべぇだよ。」なでなで

やや
「ボクの番です!」グイーン
南風
「くろべぇが注射に行くんだよ。」

・・・。

やや
「ボクは?」

南風
「留守番だよ。」

姪ちゃん
「あ~、やや!」

やや
「ボクの番です。」
南風
「あれ? くろべぇどこ行った? 早く乗り込んで。」

くろべぇ
「ややちゃんに譲るよ。」
南風
「譲らない。」
いつもより早い時間に実家に行ったので、みんなうかうかしていて出迎えがありませんでした。きっとコタツの中です。
バサッ

南風
「調子はどう?」

ろく
「どう?」
南風
「わ、ろく。」

くろべぇ
「別に。」
やや
「別にです。」
南風
「ならよかった。今朝はろくに用事があって来たんだもんね。さてろく、出かける準備を・・・」

ろく
「こう?」
南風
「そう!」
ということで、予約を入れていた病院にろくを預けてきました。やや&くろべぇとカツラの去勢をお願いした時と同じ先生です。
先生はろくをキャリーから出して抱き上げるなり、「わあ、随分と男臭い子ですね。」と驚いていました。それはもう・・・すみません。

ろくを預けて実家に戻ると、くろべぇが外を眺めていました。ろくがいない事がストレスにならないといいんだけど・・・。
今日はろくを送っていって、その間にくろべぇを注射に連れて行って、夜になったらろくを迎えに行きます。ぐわっ。

今日のくろべぇは、いつもと変わった様子もなく

股を舐める回数が多いような気もしましたが、ここのところ男鳴きをするろくによく跨って、背中に股間を押し付けていたので、そのせいかな、と思ってみたり

それよりもろくの去勢日が近づいていることにドキドキだったり

外を見知らぬ猫の影が横切った時も

ややも

くろべぇも

ろくも

一丸となって監視して

一糸乱れず監視して

くどいまでに見送っていたりもしたので
まさかくろべぇの体に異変が起きているなんて、想像もしていませんでした。
この日の晩も実家のトイレ掃除に向いました。そしていつものように私の顔をみるなり尿意(もしくは便意)を催すくろべぇが後についてきます。
くろべぇはトイレに飛び込むと、おしっこの体勢になりました。いつもならここで尿音を聞きながら終わるのを待って掃除にとりかかるところなのですが、今回は音がしないうちにトイレから飛び出して走り去ってしまいました。「変なの。」と思いながら砂をほじり始めたところで、走り去っていったくろべぇが、玄関の方で鳴いています。
「ギニャーアンッ!」
あー、これは・・・イライラしている時の声です。散歩に行くのを待たせすぎたり、やややろくにくどいことをされて怒ったときの声によく似ています。とりあえずトイレ掃除を終わらせてからくろべぇの様子を見に行くと、また股間を舐めています。
おしっこ出てない→イライラしている→股を舐めている→・・・まさか!?!?
念のため、くろべぇを抱えてトイレに連れていきました。
砂をほじっておしっこの体勢になるくろべぇ。そしてまた何も出さずに・・・やっぱりつまってるんだ!!!
おしっこが出ない→毒がまわる→すぐ死ぬ
前にどこかで得た情報の怖い部分が頭の中を覆いつくしました。
その後も2回程トイレに連れていって出ないことを確認してから、大慌てで獣医さんを探しました。この時、土曜の夜9時過ぎ。
お世話になったことのある2箇所の病院は電話が繋がらず、電話帳を見て近そうなところから順にかけていくことにしました。
で、5件目あたりで先生が電話に出てくれまして! 今すぐ来なさいと言ってくださって! すぐに向かいました!
初めて伺う病院の初めて拝見する先生のお顔が、神に見えました。
すぐにくろべぇの股間と膀胱を触診して、「まだおしっこは溜まっていないけど、おチン○○にこんなにカスがついてるよ。」と、先生の指についた白い砂のような物を見せてもらいました。
で、今晩のうちにカテーテルで処置をすることになり、他の検査や処置後の様子見も必要なので、そのまま入院決定。
日曜を挟むので、早ければ月曜に退院できますとのこと。ただし、処置の経過がよくなかったり、他になにかあれば入院は長引きますよ、ということでした。
そして、順調にいった場合と長引いてしまった場合の費用の目安や、ケースによっては今後の治療の仕方も何通りかあることを簡単に教えていただきました。覚悟しなければ。
「それではお預かりします。」と、先生がくろべぇをひょいと持ち上げました。
くろべぇは、遠慮がちに「やめてー」と鳴いていました。

ろく
「おかえり~」
南風
「空っぽだよ。」
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